国保税の引き下げを
実態示し県交渉

全国商工新聞 第3353号2019年3月18日付

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国保税の引き下げを求めた埼玉県との懇談

 埼玉県商工団体連合会(県連)は1月28日、埼玉県国保医療課と懇談し、国保税の引き下げを求めました。県内の民主商工会(民商)から15人が参加。
 県は2018年度に続いて、19年度も市町村の国保税を4%引き上げる試算を出しました。菊池正美副会長は所得400万円のうち約4割が国保税や所得税、住民税、事業税、消費税などの支払いに消えることを伝える表を示し、「手元にいくらも残らず、旅行も外食せずに生活を切り詰めている。こんな状況で国保税を引き上げると滞納者が増えるだけ」と抗議。本庄民商の金澤利行会長は「国保運営方針にあるインセンティブ(交付金)は、収納率向上や法定外繰り入れ削減などを自治体に競い合わせている。本庄市役所の相談ブースに差し押さえ現場や車のタイヤロック、家宅捜索の写真が貼り出されている。納税相談に行くことに恐怖を感じるとの声がある」と告発しました。
 県側は「国庫負担金の増額は国に強く要望している。倒産や病気で働けず、国保税が払えなくなった時は、減免制度や徴収猶予制度を活用してほしい」と回答。しかし、減免制度の申請率は滞納世帯数のわずか2・47%と、活用されていないのが現状です。
 インセンティブについても県は「収納率が向上した自治体への割り振りが多いので、国保税引き下げの効果がある」との見解を示しましたが、全自治体の法定外繰り入れ(339億円)を削減した場合、インセンティブ(100億円)でカバーできず、国保税引き下げに期待できないことが明らかになりました。
 浦和民商の荒川常男副会長は「国保制度は社会保障と位置付けられ、以前は国庫負担が50%近くあった。国民の生活、命を守るため国庫負担を増やすことを県としても引き続き求めてほしい」と再度、要望しました。
 懇談には、秋山文和議員(共産)が同席しました。

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