国保税滞納 差押解除 売掛金取り戻す=札幌北部
国民健康保険(国保)税の滞納を理由に、北海道石狩市から預金口座を差し押さえられた札幌北部民主商工会(民商)のTさん=左官=は12月12日、市と交渉して差し押さえの解除を実現しました。ほっと胸をなでおろしたTさんの妻は「安心して正月を迎えられた」と喜んでいます。
夫が倒れた直後
Tさんは不況の影響で営業不振となり、07年から2年間分の国保税の納付が滞りました。滞納分は分割で納めようと努力しましたが、当年分を納付するのがやっとという状況。保険証も短期保険証に切り替えられていました。
昨年11月2日、Tさんが硬膜下血腫で緊急入院し、すぐに手術という事態に。その数日後、市から差し押さえの通知が届きました。しかし入院中のTさんには相談できず、Tさんの妻は一人で悩んでいました。
経営と生活直撃
11月29日、口座に振り込まれた売掛金41万円が差し押さえられました。売掛金は材料費などの支払いと生活費に充てる予定のもの。冬期は大幅に仕事が減ることもあり、差し押さえは事業の継続と生活を直撃するものでした。
Tさんの妻はすぐに民商に相談し、石狩支部長や日本共産党の長原徳治市議会議員の援助も受けて市と交渉しました。「差し押さえられた資金なしには、事業も生活も成り立たない。急な入院と手術で出費も重なるだけに、差し押さえはやめてほしい」と切実に訴えました。
交渉の結果、本税については1月末までに完納する計画も示し、延滞金については5月以降に再度相談することで預金口座の差し押さえを解除させました。Tさんは12月中に退院し、高額療養費の支給申請をしています。
全国商工新聞(2014年1月27日付) |