情報生かし時代に対応
新春・商売を語る会・岩手

全国商工新聞 第3350号2019年2月25日付

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常に先を見据えた経営努力に関心が集まった岩手県連の「新春・商売を語る会」

 岩手県商工団体連合会(県連)は1月13日、矢巾町活動交流センターで「新春・商売を語る会」を開き、県内各地から31人が参加しました。県連が「商売を語る会」を開催したのは初めて。民商の値打ちを再確認し、民商ならではの経営力の向上に取り組むことで組織強化・拡大に弾みをつけようと企画したものです。
 県連の関沢淨会長は、増税阻止のたたかいが正念場を迎えているとし、「『春の運動』を全会員参加で進めながら、3・13重税反対全国統一行動を増税中止の一点共闘として広げよう」と強調しました。
 「商売を語る会」は、宮古民商の木村明局長がコーディネーターを務め、北上民商のIさん=石材、花巻民商のHさん=農業、森岡民商のKさん=研磨=の3人がパネリストとして参加。自己紹介を兼ねて事業の概要に触れながら商売へのこだわり、苦労していることや今後の展望を語りました。
 Iさんは、「墓石は、注文生産。施主さんの立場で設計から相談に乗るなど、仕事を通してお客さんとの関係を大切にしている。営業はお客の口コミです」と強調。その上で、「石材業は核家族・少子高齢化に加え、『墓じまい』などで厳しい状況です。後継者の息子には、時代に合った事業形態を、と話しています」と語りました。
 仲間と任意組合をつくり、米作りをしているHさんは「米の単価が下がっている中で経費以上の販売収入を上げることが一番の目標。仲間の生活もかかっているので責任は重大」とし、米作りの工夫や、おいしいご飯の炊き方・米のとぎ方も紹介し、会場が盛り上がりました。
 創業47年を迎えるKさんは「研磨する物も頼む人も大きく変わっている。変化に対応するには情報が大切」と強調。中小企業庁の「よろず支援拠点」に参加し、複数の補助金を獲得した経験も紹介しながら、「事業承継では先を考えて、いまのうちに基礎をつくることが大切」とし、持続化補助金などに挑戦することを訴えました。
 参加者からは、「3人とも現状に満足していない。常に先々のことを考えていることが分かり、勉強の必要性を感じた」「常に時代のニーズと環境を学び、情報をつかんで独自に考える力がないと企業や組織は維持・継承できないと思った」「今の時代に対応するやり方でやっていかないとダメと、つくづく感じた。これから若手を育てていきたい」などの感想が寄せられました。
 県連として、次は「業種別問題交流会」などにも挑戦していく予定です。

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