他業種に商売の極意学ぶ 経営力アップ交流会=兵庫県連青年部
商売の極意を学んだ兵庫県青協の経営力アップ交流会
兵庫県連青年部協議会(県青協)は5月17日、尼崎市内で経営力アップ交流会を開催し32人が参加。先輩業者をパネリストに迎え、商売の工夫やこだわり、経験を聞きながら商売の極意を学びました。
3人のパネリストが報告。尼崎民主商工会(民商)のAさん=電気工事=は「電気だけでなくガスや水道も一緒にできるようにして仕事の幅を広げた」と話し、西宮民商のSさん=クリーニング=は「入札で大きな仕事を取るために値下げをしていたが、数年前にこれではいけないと考え、個人を相手にする仕事にシフトした。いい仕事をすればお客さんは増える」と語りました。
伊丹民商のHさん=葬祭=は、家族だけで静かに故人を見送りたいというニーズに応え、「1日1組限定の貸し葬儀場」を始めたと報告。「お客さんを満足をさせるのは当たり前。これまでにないサービスで感動を与えられる仕事がしたい」と、熱く語りました。
パネリストの報告後、参加者からは「大手との差別化を図るには」「地元のお客さんが地元業者以外を利用することをどう思うか」など、次々と質問が出されました。大手との差別化について、Sさんは「クリーニングの内容をお客さんに知らせ、納得してもらうことを重視している。品質の高さでは大手には負けない」と語り、Hさんは「なぜお客さんが自社を通り過ぎていくのか、目の前の売上げに捕らわれずお客さんが求めるものを考えるのが一番大事」と答えました。
コーディネーターを務めた兵庫県中小商工業研究所の近藤義春所長は「パネリストに共通する経営理念は数ではなく品質で勝負すること、お客さんの声を第一に考えていることだったと思う。参加者自身の商売に引きつけて考えることや、参加者同士の仕事のつながりを広げる場に発展させていこう」と呼び掛けました。
参加したTさん=弁護士=は「畑違いの話でも自分の仕事に通ずる部分があった」と語り、パネリストのHさんからも「若い世代の経営者と語り合う中で、経営に完成はない。常に課題を探すことが必要と感じた」と感想が寄せられました。
全国商工新聞(2015年6月29日付)
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