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  トップページ > 経営のページ > 経営 > 全国商工新聞 第2944号 9月27日付
 
経営
 

米トレーサビリティー法(10月1日施行)でどうなる?


米、米加工品の販売・製造業者
伝票保存、産地情報の伝達を義務化

 米や米加工品の取引記録の作成と保存などを義務づける「米トレーサビリティー法」が10月1日から施行されます。弁当やおにぎり、団子、米菓子など米、米加工品を販売・製造する事業者は、必要な伝票の保存、産地情報の伝達が義務づけられました。どんな法律なのか、Q&Aで紹介します。

トレーサビリティ―とは?
生産から消費までの履歴を管理
 食品の生産から加工・流通・販売までの過程を明確に記録し、商品からさかのぼって確認できることをトレーサビリティーといいます。
 事業者が取引などの記録を作成し、一定期間保存することで、問題が発生したとき流通ルートをさかのぼったり、追跡できるようにしたものです。
 きっかけは、08年9月にカビが生えて食用に適さなくなった事故米を複数の米流通業者が不正転売した事件。米穀にかかわる食品の安全性を欠くものの流出を防ぎ、適正な流通を確保することを目的に、米トレーサビリティー法が全会一致で成立しました(09年4月17日)。
 同法は二つの内容から構成されています。一つは米トレーサビリティーの確保のため、米や米加工品を取引したときに、その内容を記録・保存する。
 もう一つは、消費者が分かるように産地情報を伝達する(来年7月1月から施行)ことです。

対象となる品目は?
米や米加工品など幅広く
 米トレーサビリティーが義務づけられているのは米穀(もみ、玄米、精米、砕米)、米飯類は白飯、各種弁当、おにぎり、赤飯、おこわ、米飯を調理したものや、おかゆ、すし、チャーハン、オムライス、カレーライス、ドリアなどご飯として提供される料理や、電子レンジで温める包装米飯、発芽玄米、乾燥米飯(いずれも冷凍食品、レトルト食品、缶詰類を含む)。
 そのほか、もちや団子、米菓、清酒、単式蒸留焼酎、みりんなどです。
 対象品目となる米・米加工品の販売、輸入、加工、製造または提供するすべての事業者が対象です。

表1

記録の作成・保存方法は?
納品書(控)など原則3年間
 生産者は出荷記録、卸売業者は入荷記録と出荷記録、小売業者や外食店は入荷記録の作成・保存が必要です(表1)。納品書(控)などの伝票類に品名、産地、数量、年月日、取引先名、搬出入の場所などが記載されていれば、それを保存しておくことで、記録・保存の義務を果たしたことになります(表2)。保存期間は原則3年(賞味期限などに応じて3カ月間、3年間、5年間と異なります)。
 虚偽の記録や勧告、命令に従わなかったとき、立ち入り検査を拒否した場合は、50万円以下の罰金となります。

表2

産地情報の伝達方法は?
伝票や容器・包装に記載
 米・米加工品をほかの事業者に譲り渡す場合は伝票(納品書、規格書でも可)または商品の容器・包装に産地(米は産地、米加工品は原料米の産地)を記載することが必要です。
 一般消費者に米・米加工品を販売・提供する場合は(1)玄米・精米・もち(一部)のようにJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)で原料原産地表示の義務がある場合はそれに従い、これまでどおりの表示を。(2)義務がない場合は米トレーサビリティー法に基づき、産地情報の伝達が必要になります(表3)

表3

 商品包装に産地を記載する、カタログや注文画面上に産地を掲示、店内に産地を掲示、メニューに産地を記載します。ウェブサイトによる伝達はウェブアドレスを、電話の問い合わせによる伝達は相談窓口の電話番号の記載が必要です。
 国産米は「国内米」「国産」と記載。外国産は「国名」を記載します。



消費者ニーズに対応
広岡昭一さん=米・自然食品販売(埼玉・浦和民商)
 米トレーサビリティーのことは、農家の人から聞きました。
 消費者からみれば、米がどこで作られたかを知りたいと思うのは当然なので、伝票保管や情報提供など法律に基づいた対応をしたいと思っています。
 同時に、事故米流出などの問題はそれだけでは解決しないと思います。外国米を輸入し続け、米があふれています。米価暴落の要因にもなっています。余った米の産地を偽るなど悪用する業者が出てくるのは、容易に想像できます。米の輸入はやめるべきです。

   
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