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  トップページ > 経営のページ > 経営 > 全国商工新聞 第2873号 3月30日付
 
経営
 

紙上経営塾・足を踏み出し積極営業

東京・葛飾=金属加工
 特殊難材金属加工の技術力が売り


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旋盤機械に装着されたハステロイ
 「仕事がない」。これがいま、業者のあいさつ代わりになっています。たしかにしんどい。私のところも仕事の受注量は年々減ってきています。ただ今年に入ってから新しい取引先を4件増やしました。
 大変だからこそ「待ち」の姿勢では厳しい状況を打開できない。私が大事にしていることは「足を踏み出せば前に進める」ということです。二歩でなくていい。まず一歩踏み出そうということです。
 旋盤加工というのは職人仕事。もう40年になります。ステンレスや原子力発電所の部品にも使われる「ハステロイ」など特殊難材の金属加工を専門とし、一般金属も加工します。加工精度は髪の毛の3分の1の太さ。15歳から13年間、技術を学ぶためいろいろな会社で経験を積み、「技術では他人に負けない」という自信がありますね。工場でモノを作るのが仕事。それに一人ですから、なかなか外に出られない。営業もやったことがありませんでした。それが2年前、取引先の大手企業から「今後は発注する仕事は少なくなるから」と言われ、自ら営業にも取り組むようになりました。
 まず、手がけたのがメールを使った会社案内の送付です。月に40件近く送り、2社から、仕事の依頼がありました。以来、東京ビッグサイトの展示会への出展や、行政や金融機関が主催する受発注情報交換会などあらゆる機会を見つけて、自分の会社と技術をアピールしています。名刺を交換したら、「即アポ、即行動」です。とにかく相手先と顔を合わせる。恥ずかしいなんて考えたらだめです。数を撃てば当たる。自然に任せたら、仕事は減ります。
 足を踏み出せば、人脈と情報が広がる。攻めの経営が「仕事おこし、仕事探し」につながっていると考えています。とりわけ、相手先と面談するときは、自分の技術や会社についてとことん知ってもらう。また、「相手先のブランド」、つまりその会社の信頼や信用を大切にすることが伝わるような話し合いをしています。商談がまとまらなくても必ず最後は握手して別れることにしています。
 昼休みは自転車で近所の会社を飛び込みで訪問しています。意外とお互いの仕事を知らない。だから可能性も大きいですよ。実際に仕事の依頼が飛び込んできたことも。
 「ダメでもともと」と思いきることが大きな行動力を生み出すものです。
   
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