紙芝居 安倍・改憲を許すな  いよいよ4月はいっせい地方選挙、7月は参議院選挙です。安倍内閣は、通常国会で国民投票法案(改憲手続き法案)を成立させ、参議院選挙では憲法改悪を争点にして選挙戦に打って出ようとしています。全国商工団体連合会(全商連)は、消費税増税阻止とともに、憲法改悪を許さないとりくみを推進しています。この運動いっそうを広げるため、紙芝居を作成しました。班会や小集会、街頭での宣伝などで大いに活用してください。紙芝居の活用の仕方は下段に掲載しています。 (1)表紙 日本の平和と暮らしを脅かす安倍・財界(御手洗)、後ろから操るブッシュ大統領  国民、中小業者は「格差社会」で暮らしが大変。なんとかしてほしいのに、大企業が望む「構造改革」をいっそう進め、憲法を変え、消費税増税をするというのが安倍首相と財界。  一方、アメリカは米軍再編・強化を進めながら、イラク戦争を拡大させ、日本の自衛隊の参戦を求めています。アメリカに従う安倍首相は施政方針演説で「憲法を変える」ことを参議院選挙の公約にしました。さあ、それとどう対抗し、展望を切り開いていくのか! 紙芝居のはじまりはじまりー。 (2)改憲を掲げた安倍内閣が登場 けんじ:あれれっ? 安倍首相が「憲法を変える」と言ってるのかい? 京 子:そうよ。自分の内閣で必ず実現すると公約して、しかも参議院選挙の争点にするって言うのよ。 元さん:それだけじゃねえぞ。安倍首相は「いまの憲法前文は何回読んでも、敗戦国としての連合国に対するわび証文でしかない」と、露骨に憲法を憎んでる。なんたってA級戦犯容疑で逮捕された経歴をもつ改憲論者の岸元首相の孫だからな。中身は薄っぺらだが筋金入りの「タカ派」の坊ちゃんだ。世間を知らねえから余計に危険だ。 けんじ:4月のいっせい地方選挙や7月の参院選は、平和にイエス、大増税にノーを突き付ける絶好のチャンスだね。 (3)防衛省になって、いよいよアメリカと一緒になって戦争する軍隊へ けんじ:そういえば、防衛庁が防衛省になったけど、名前が変わっただけなの? 京 子:とんでもない。のん気なこと言わないで。自衛隊の海外派兵が本業になるのよ。教育基本法も一緒に改悪したでしょ。これから学校で「国を愛する心」をますます子どもに押し付けてくるわよ。「国のために死ね」ってならないといいけど。 元さん:ホントだよ。見たかい? 防衛省発足の式典での安倍首相の顔、いままで見せたことのない表情をしていたよ。それによ、北大西洋条約機構(NATO)で「いまや日本人は自衛隊が海外で活動することをためらわない」と早速、海外派兵を約束してるんだ。とんでもねー。 けんじ:ってことはさ、今まで「日本の平和と安全」と言ってたけど、「国際社会の平和及び安全」へと広げろってこと?でも国際平和のためなんでしょ?  元さん:その国際平和ってやつがくせ者よ。ようするにアメリカと一体で戦争する軍隊に一変させる。これが真相さ。 (4)許されない核武装論や、集団的自衛権の容認 京 子:北朝鮮のミサイル発射や核実験で安倍政権の閣僚、自民党幹部から、敵の基地は攻撃してもいいんだっていう声が出ているわね。 元さん:確かに北朝鮮は国際ルールを踏み外したやり方で、絶対に許すことはできない。日本をはじめ世界の平和と安全を脅かすからね。だからって、それを口実に日本の核武装なんて、とんでもない。戦争への道を突っ走るだけだ。 けんじ:安倍首相は集団的自衛権の研究を言っているね。 元さん:ずばり! 日米同盟の軍事的役割を強化して、それに邪魔するやつは撃沈しちまうのが目的さ。憲法9条改悪ができれば一挙に果たせるけど、これに数年かかると予想してるんだ。だから待てねえという事情があるわけさ。 京 子:安倍首相の言う「憲法で禁止されていない集団的自衛権」など、もともとありえないのよ。 (5)米国の圧力とイラク戦争の破たん けんじ:そうなんだ。じゃあ沖縄や横須賀、岩国とかで米軍の基地強化が進んでるよね。これも関係あるの? 京 子:やっと頭がさえてきたわね。政府は自衛隊に海外出動させるための法律をずっと作ってきたのよ。91年の自衛隊掃海艇のペルシャ湾出動を皮切りに周辺事態法、テロ特措法、03年の9・11事件でイラク特措法と進んだわけ。米軍基地強化は全部アメリカの都合なのよ。 元さん:その通り! 例えば2000年10月にはアーミテージ国務副長官が「日本が集団的自衛権を禁止しているのは、同盟国の協力にとって制約になっている」と憲法9条を敵視し、改憲を押し付けた。自民党は「自主憲法の制定」と言っているけど、実際はアメリカの指図で動いているんだ。こんなやつらに愛国心なんて言われたくない。 京 子:でも、イラク戦争は今やドロ沼。アメリカの各地でも「イラクから撤退せよ」と世論が盛り上がっているわ。ところが安倍首相は、小泉前首相と同様に、アメリカへの忠誠を誓うだけ。平和を求める世界の声からますます孤立するアメリカに、どこまでついていくの? (6)憲法変えろ、法人税を30%にしろ、消費税を10%にしろと財界が圧力 京 子:正月早々、日本経団連が「御手洗ビジョン」を出したね。どういうものなの? けんじ:いやー、やっとおれの出番だ。ようするに、「憲法変えろ」「法人税は高すぎるから、アジア並みに30%にしろ」「その代わり消費税を10%に上げろ」と身勝手なものなんだ。しかも、この政策を実行する政党には、政治献金を出そうと。ひと言で言えば「政治を金で買おう」ってことだよ。 元さん:そうした財界の要求に手を上げているのが自民党、そして民主党だ。だから民主党は、消費税率引き上げでも反対を言えず歯切れが悪い。こんな政党が伸びても政治は変わらない。しかも、財界は武器輸出三原則の解禁も求めている。防衛省昇格や米軍再編を商売のチャンスと見ているわけ。まさに「死の商人」よ。 (7)国民投票法案は改憲とセット けんじ:国民投票法案をなにがなんでも今度の国会で通すと言っているね。なんで? 京 子:自民党の「新憲法草案」は、9条と96条に絞った「改正」をめざしている。96条は国会の発議で議員の3分の2の賛成を意識したもので、憲法改正をやりやすくしたものなの。だから民主党との合意を優先しているの。 元さん:国民投票法案と言っているが、その正体は改憲手続き法案なんだ。いったん国民投票になれば、公務員や学校の先生は意見を言ってはいけない、商工新聞なども自由に報道できないなんて制限がてんこ盛りだ。ところが、マスコミを使ったコマーシャルは国会議席に応じて公費負担するってんだから、改憲派に有利な大キャンペーンが可能になる。憲法改悪を金で買収するようなもんだ。また「有効投票総数」の過半数で成立するなどハードルが低い。投票者の20%台の賛成でも成立しかねないよ。 京 子:民主党も改憲手続き法案には賛成しているよね。社民党も護憲と言いながら民主党と選挙協力しているから本気さが疑わしいわ。 (8)日米軍事同盟をやめれば、東アジアの平和の建設に貢献できる けんじ:憲法9条を変えて戦争できる国にしたり、アメリカとの軍事同盟べったりでは日本の将来は不安だよ…。ご近所のアジアの国々はどうなってるの? 京 子:平和の流れが急速に広がっているのよ。アジアでは韓国や中国、ベトナムなど、たくさんの国が東南アジア諸国連合や東南アジア友好協力条約、上海協力機構などを結んでるわ。それを台無しにするのが日米軍事同盟の強化と、憲法9条の改悪よ。日本が日米安保条約を破棄して、アメリカと本物の友好関係を築けば、アジアの平和にどれだけ貢献できるか計り知れないわ。 元さん:「美しい国」が安倍政権のキャッチフレーズだが、「美国」とは中国語・韓国語ではアメリカのことを指すそうだ。そうしてみると、「米国=美国と一体化して戦争を仕掛ける国になる」ためのキャッチフレーズが本音なのかも知れないな。 けんじ:靖国参拝や憲法改悪じゃ、アジアの人々とうまくやっていけるわけがない。そもそも日本国憲法は、アジアに悲劇をもたらした侵略戦争の深い反省の上に立って生まれた「宝物」だよ。アメリカとの軍事同盟を解消し、憲法9条で、アジアと世界に友好と平和の輪を広げていくときだね。 (9)憲法は暮らしと商売、平和を守る大きな宝 けんじ:やっぱり今の憲法は大切だね。 元さん:そう! 消費税や定率減税の廃止に反対するのも、だれでも払える国民健康保険料(税)にと主張するのも、憲法が保障する権利に基づいているからさ。自民党の憲法草案は「公共の福祉」を「公共の責務」に変えているけど、これは危険だ。義務だけが押し付けられて「渡る世間は真っ暗闇」ってなもんだ。 京 子:「憲法解釈の見直し」とか「憲法改正」という言葉を、ときの政権が口に出すことが大問題よ。国民が国の権力を縛るのが今の憲法。あくまで主人公は国民なの。これが世界各国の憲法の常識よ。 (10)「9条の会」が全国6000余に 日本国憲法が公布され「新しい憲法のはなし」でも けんじ:憲法を守りたいよ、ホントに! どうすりゃいいの? 京 子:やっぱり選挙でしょ! 安倍首相の支持率もどんどん下がっているわ。財界中心の「構造改革」で、ワーキングプアと言われるように働いてもまともに暮らせない。国民や中小業者の生活はますますひどくなってるわ。憲法改悪や大企業寄りの政治ばかりでは、国民も我慢の限界よ。でも、希望も展望もあるわ。憲法9条を守ろうと始めた「9条の会」が全国で6000余に広がっている。これはすごいわ! 元さん:今年は日本国憲法が実施されて、ちょうど60年。当時、文部省が発行した「新しい憲法のはなし」という中学校の教科書にはこう書いてあるんだ。「これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戦力の放棄といいます。放棄とはすててしまうことです。しかしみなさん、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらいつよいものはありません」とね。まったく同感だ。 けんじ:今度の地方選や参院選挙では、憲法を守る政党を絶対躍進させたいね。みんなでがんばるぞー!