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  トップページ > 平和・民主主義のページ > 安保・基地 > 全国商工新聞 第3034号 8月6日付
 
安保・基地
 

オスプレイ配備認めない 基地なき未来を

 墜落事故が相次ぐ米海兵隊のMV22オスプレイ(垂直離着陸輸送機)が7月23日、岩国基地(山口県岩国市)に陸揚げされ、怒りの声が大きく広がっています。岩国基地で試験飛行をした後、米国は同機を普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備しようとしています。沖縄県商工団体連合会(県連)の仲本興真会長が「オスプレイ配備反対」の世論と運動が広がる現地からリポートします。

 今年の夏はいつもの夏より熱い。梅雨が明けて本格的な夏を迎えているからではない。それはいま沖縄中を揺るがしている「悪魔の欠陥機」オスプレイがやってくるからである。沖縄中が怒りの炎で包まれている。
 報道によると、岩国基地で、試験飛行を実施した後、10月には沖縄の普天間基地に1年目12機、2年で24機配備。当然、山口県の二井関成前県知事と岩国市の福田良彦市長、市民は反対を表明している。岩国への先行搬入は、普天間基地配備・低空飛行への地ならしと見て間違いない。
 オスプレイは、ヘリと通常の固定翼機の機能を兼ね備え、高速であることに加え、航続距離が今までのヘリの数倍の能力を持つという。1997年の初飛行以来、墜落を繰り返し、イラク戦争でも実戦配備されているが、もう数十人もの米兵が墜落などの事故で死亡し、「未亡人製造機」ともやゆされている。
 専門家によると、機体そのものに決定的な欠陥があると言う。琉球新報(7月12日付)は、日本やイスラエルも導入を検討していると報道している。
 オスプレイは沖縄だけではなく、全国7カ所のルートで低空飛行訓練を行う予定だ(図)。ただでさえ、事件や事故、騒音被害に悩まされているのに、県民・国民はたまったものではない。
 県内の100カ所以上のヘリパッドと民間飛行場を縦横無尽に活用し、県民の財産と安全を脅かそうとしている。

図

島ぐるみで
 先日、北部の3自治体を消費税増税反対などの問題で訪問、懇談した。首長が「かつての復帰前のような『島ぐるみ』のたたかいをしなければならない」、「イデオロギーの違いを乗り越え反対しなければならない」などと話していた。
 いま、大きな問題になっている辺野古の基地は普天間の代替基地として建設計画が立てられているが、ここにもオスプレイが配備されることになる。高江のヘリパッドも当初からオスプレイが配備されるといわれていたが、政府はひた隠しにしてきた。今になって、オスプレイの配備を明らかにしている。
 ヘリパッドを容認した伊集盛久・東村長もオスプレイの配備は反対と表明。村全体の52%を基地で囲まれ、キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンの基地を提供している東肇・宜野座村長はこのままでは、すべての基地の撤去を要求しなければならないと話している。全国的にも24都道県知事が配備反対・慎重を求める声を上げているのをはじめ議会での決議も広がっている。8月5日のオスプレイ配備反対の県民大会は県議会が超党派で立ち上がり、多くの団体を網羅し、沖縄返還時の島ぐるみのたたかいに発展している。

全国一つに
 オスプレイ配備の大本には諸悪の根源である日米安保条約の問題がある。米政府はオスプレイ配備を「日米安保条約に基づく権限だ」と言い、日本政府も受け入れを「安保条約上の義務」と言っている。ならば、安保条約そのものをなくせということになる。このたたかいは、安保破棄のたたかいに発展する可能性があり、民主党政権の墓穴を掘ることは間違いない。
 オスプレイ配備反対、消費税増税とTPP参加阻止、原発ノーのたたかいは全国で一つに合流し、大きな流れになろうとしている。沖縄県民・国民の怒りの炎はもう抑えられない。マグマが沸騰し始めている。あとは吹き出すだけである。

基地なき未来を
岩国集会に1100人
 「事故続きの欠陥機・オスプレイの陸揚げ反対」、「オスプレイは岩国にも、沖縄にもいらない」の怒りの声が響き渡りました。7月22日に山口県岩国市で開かれた「オスプレイ配備反対緊急岩国集会」(実行委員会主催)。県内外から1100人が集まりました。
 この日はオスプレイが関門海峡を通過し、23日早朝には米軍岩国基地に陸揚げが強行されるという緊迫した状況。
 全国的にも大きな関心が寄せられ、マスコミも注目しました。
 集会では岩国民主商工会(民商)の会員の孫が地元の若者代表として発言。「オスプレイの陸揚げを通じて岩国基地の存在に疑問を感じ始めた。大切な家族や友人が暮らす岩国市は、基地のない平和な未来を望んでいる」と訴え、共感の拍手に包まれました。
 集会の最後は、参加者がオスプレイに×印を書いた紙を高く掲げ、「オスプレイノー」の声を全国に発信。岩国民商の江本俊信会長=バイク販売=は「自分の店から基地の防潮堤が見える。日常の光景として欠陥機が飛ぶのは納得がいかない。民意を無視するやり方にも怒りを感じる」と語っていました。

沖縄県庁前 700人が行動

Photo
沖縄県庁前の県民広場で開かれた「7・22市民集会」

 沖縄県では県民大会の成功に向けた「市民集会」(基地の県内移設を許さない県民会議主催)が22日、県庁前の県民広場で開かれました。民主団体や労働組合のほかに家族連れ、友人同士、インターネットを通じて集まった若者など700人が参加。民主商工会(民商)の会員も「オスプレイはいらない」と声を上げました。
 各団体の代表などが次々にマイクを握り、建築家の真喜志好一さんはオスプレイの模型を示しながら「低空飛行時に強風や操縦ミスが発生すれば機体を制御しているコンピューターに誤作動が生じやすくなる。沖縄に配備されるとモロッコやアメリカ・フロリダ州のような事故が起きる可能性がある」と欠陥を指摘しました。
 集会後、参加者は国際通りをデモ行進。鐘や太鼓のリズムが鳴り響き、道行く人たちも一緒に手をたたきながら「ノーオスプレイ」「ノーヘリパッド」と声を上げました。

全国商工新聞(2012年8月6日付)
   
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