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  トップページ > 業種のページ > IT・サービス・FC > 全国商工新聞 第2898号 10月12日付
 
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見切り販売制限による損害で本部を提訴

 コンビニ最大手セブン‐イレブン・ジャパンの加盟店主7人が、販売期限の近づいた弁当などを値引きする「見切り販売」を本部に不当に制限され、損害を受けたとして9月29日、同社に対し約2億3000万円の損害賠償を求めて東京高裁に提訴しました。「見切り販売」をめぐっては、それを制限することによる商品の大量廃棄や本部だけが一方的にもうかる「不公正な取引関係」の象徴とされてきただけに、本部経営のあり方や不公正な取引関係が改めて問われることになります。

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記者会見するセブン‐イレブンの店主と弁護団
(東京・霞が関)
 提訴したのは、北海道、千葉、大阪、岡山、兵庫の7人の店主。
 訴状によると、契約上は加盟店が自由に価格を決められるにもかかわらず、店主らは契約や研修時、さらに開店当初から、本部職員から「見切り販売」しないよう継続的に指示されてきたと指摘。
 廃棄した商品の原価は加盟店側の全額負担となるため、「見切り販売」をすれば原価の負担を減らすことができるにもかかわらず、それを制限されたことによって損害を受けた、としています。
 「見切り販売」を実際に行った結果、店主側の負担が8割減ったことから損害額を試算。7人の原告の被害額を2億3154万円としました。
 「見切り販売」をめぐっては6月、公正取引委員会が独占禁止法違反(優越的地位の乱用)にあたるとして同社に排除措置命令を出しています。今回はそれを根拠とし、独禁法25条に基づく提訴のため同法の規定で一審が東京高裁となります。
 提訴後、原告・弁護団は東京・霞が関の記者クラブで会見。原告らは「見切り販売」の結果について「利益が上がり、アルバイトの給料も上げることができた」とその効果をアピール。
 提訴については「もう本部との話し合いではカタがつかない。第三者に白黒をはっきりさせてもらうこということ」と語気を強めました。


規制の必要性伝える好機に
 弁護団長 中野和子さん

 セブン‐イレブン本部による「見切り販売の制限」は、独占禁止法に違反する行為だと公正取引委員会はことし6月に認定した。それによって生じた被害を賠償しなさい、というのがこの裁判です。
 もともと本部と加盟店主との契約では、加盟店側に自由な価格決定権があるとされています。
 私たちは、契約そのものが本部に一方的に優位な「不公正」なものと考えていますが、セブン本部は、その契約さえ守ってこなかった。組織的、継続的に「見切り販売の制限」を加盟店主たちに押し付けてきた。
 店主たちは本来得られた利益を奪われてきたわけです。契約内容が不公正なだけでなく、やっていることが不正なんです。だから本部を法的に規制することが求められているわけです。
 裁判は被害を回復させる機会であるとともに、不公正さと規制の必要性を世に伝えていくチャンスでもあると考えています。

本部の体質を変える裁判に
 原告団の一人 藤島英世さん

 「見切り販売」をする前は毎日2万円相当のデイリー商品を廃棄していましたが、今はほとんど廃棄なし。従業員は「もう捨てなくていいんですね」と歓迎しています。利益も月10万円近いアップ。値段が下がってお客さまからも喜ばれています。いいことばかりなんですよ。
 それなのに、本部は契約の時も研修でも「ダメだ」といい続けてきた。契約では加盟店が自由に価格を決めることができるにもかかわらずです。
 私はセブンーイレブンが嫌いなわけじゃありません。本部の体質を変えてほしいだけ。本部とオーナーとの関係を変えていく、やりがいのある裁判です。
   
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