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業種 製造・小売
 

ロケットストーブ開発 産学連携と鍛冶屋の技術=京都・城陽久御山民商

循環経済の確立めざし

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鍛冶屋の技術を生かして、アート作品やロケットストーブなど活躍の場を広げる上野さん

 京都府南部に位置する久御山町で「ウエノ工芸」を営む上野剛志さんは、鍛冶屋の技術を生かしてアート作品を発表し、公募展でも毎年入賞する腕前です。現在は、ロケットストーブの開発に力を入れ、放置竹林の竹を燃料としたストーブの開発など環境問題解決へも活躍の場を広げています。
 学校卒業後、山科区の鍛冶屋で5年間修業を重ねた上野さんは、父親が営む工場で店舗什器などを作っていました。しかし、バブル崩壊後、仕事が海外に流れ、単価が引き下げられました。そこで、6年前に一念発起して独立開業。「仕事が少ないなら自分で作り出す」と、初めに取り組んだのは長年培った技術を生かしての鉄製のアート作品の製造販売でした。
 表札からアクセサリー、オブジェまでさまざまなものを製作しては、インターネットで販売。毎週、全国各地で行われる手作り市にも足を運んで出店を続けました。
 そんな中、友人との会話の中で、火力が強く、煙もほとんど出ない「ロケットストーブ」を知りました。興味を持った上野さんは、「もっと火力を強くできないか」「耐久性を増やせないか」「デザイン性を持たせられないか」と独自にテーマを課し、試作品で改良を重ねてきました。

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注目が集まっている上野さん作製のロケットストーブ

 自作のロケットストーブの実演動画を動画サイトで流したところ、注目を集め、最先端のガス分析に携わる会社から連絡がきました。そこから早稲田大学の教授とつながりができ、共同チームを立ち上げ、ストーブ、発電の研究開発を行うまでに至っています。
 この産学連携は今、城陽市青谷地域の「放置竹林」を解決するプロジェクトに発展。伐採した竹を原料にペレットを作り、それを燃料に火を起こすというエネルギー循環事業で、燃焼効率の良いストーブに注目が集まっています。
 「納期を気にしながら作っていた以前と違い、今は、顧客や研究者と会話しながら、モノづくりができることにやりがいがある」と言います。
 放置竹林の活用では、地域のさまざまな分野の事業者が協力し、ロケットストーブやエネルギーだけでなく、農業や観光でもつながる「循環型地域経済」を確立したいと意気込む上野さん。他の地域でも、それぞれの特性を生かした動きが生まれてほしい、と夢は広がります。

▽詳しく知りたい方は「ウエノ工芸」で検索

全国商工新聞(2016年4月4日付)
 
   

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