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  トップページ > 業種のページ > 料理・飲食 > 全国商工新聞 第2849号 10月6日付
 
料理・飲食
 
シリーズ 負けてたまるか高騰対策@
そば店のYさん=そば粉、小麦、油などいっせいに値上げ


 大阪市北区でそば処と営むYさん。原材料高騰の影響を大きく受けながらも、自主計算で経営を守る力を蓄えてきました。
 小麦の値上がりは2年前から仕入先やお客さんの情報で予測していました。実際に値が上がったのは昨年の10月。小麦は1袋(25キログラム)が3600円から4145円に一気に15%の値上げ。そば粉も600〜700円の値上げ幅です。昨年末に比べ、油は2倍、ラードは1・5倍、ほかにも鶏肉、卵など。だしに使うサバに至っては漁ができないためモノがない状況です。
 「今回のように、すべての物がいっせいに上がるのは経験がないし、先が見えない」とYさん。30年来の付き合いの仕入先から、しばらくは価格を据え置いてもらっていましたが、自主計算をきっかけに対策に乗り出しました。

●客減も想定、大盛りで麺類50円アップ
 Yさんは昨年12月、これ以上の高騰が続けば、商品の値上げは避けられないと判断、すべてのめん類を一律50円アップしました。その際、Yさんは自主計算書をもとに値上げによる客足や売り上げの影響を考え抜きました。
 「値上げによりお客さんが10%減ると仮定して、50円上げたことで元をとるのに何人に来てもらえばいいのか」「1週間に3回来ていた常連さんが、2回に減らした場合はどうか」‐‐。手書きの自主計算書を前に、何度も電卓をたたきました。
 Yさんがもうひとつ工夫したのはお客に「損をした」と思わせないよう、通常より大盛りにしたことでした。その結果、12月は前年に比べ売り上げもアップ。「年明けも不安だったけど、値上げでの影響はなかった」といいます。毎日の売り上げを見て「これなら大丈夫」と大盛りの量も少しずつ減らしています。
 今回の値上げに役立ったのも日ごろの帳面付け。10月には小麦がさらにアップする動きもあります。「先を見越して、お客に喜ばれる商売が大事。問題が表面化して急に対策を練るのでは遅すぎます」と語るYさん。計算書を手に「石油にしても不足しているのなら分かるが、今回の高騰問題は、政治の責任が大きい」と怒りをぶつけます。
   
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