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  トップページ > 業種のページ > 建設土木 > 全国商工新聞 第2948号 10月25日付
 
業種 建設土木
 

住宅リフォーム助成 創設へ県議会が請願採択=岩手・宮城


 住宅リフォーム助成制度の創設を求める請願採択が各地で相次いでいます。県段階では岩手県議会が本会議、宮城県議会が建設企業委員会で採択。いずれも両県商工団体連合会(県連)が提出したものです。各地の民主商工会(民商)の運動で、市や町議会でも採択され、地域住民や建設業者に創設への期待が広がっています。

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佐々木議長に請願書を手渡す藤沢県連会長(右から2人目)と同席した工藤民主党県連政調会長(左から2人目)と共産党の斉藤信県議(左端)

経済対策訴えて
 4年越しの運動実る=岩手県連

 岩手県議会は4日の本会議で「住宅リフォーム助成制度の創設に関する請願書」を全会一致で採択しました。岩手県連が提出していたもので、制度実現に向け引き続き運動を強めていくことにしています。
 請願書は、09年の県内の新築着工件数は5085件で前年と比べ30%も落ち込むなど「働きたいけど仕事がない」状況が長期間続いていると指摘。その一方、住宅リフォーム助成制度を創設した隣接の秋田県では、12億5000万円の助成金で、経済効果は311億円に達するなど地域経済全体に波及しているとし、岩手県でも緊急経済対策として同制度を創設するよう求めていました。
 県連は請願書採択に向け、全会派を訪問。「このままではいけないとは思うが本当に効果があるのか」「秋田の状況はどうか」などの率直な声も寄せられ、意見交換も大いに進みました。民主党議員が最初に紹介議員に名前を連ねると、自民党の議員も悩みながらもサイン。以後、どの会派も流れるようにペンを走らせ、あっという間に公明党を除くすべての会派が紹介議員に。
 佐々木一榮県議会議長への請願書提出には、民主党県連の工藤大輔政調会長と共産党の斉藤信県議が同席。本会議では全会一致の採決となり、県連が要望してきた4年越しの運動が結実しました。
 岩手県連の藤沢光一会長は「宮古市が『20万以上の工事にキャッシュで10万円補助』という、住民に使い勝手のいい住宅リフォーム助成制度を実現し、その影響が全国に波及したこと。隣接する秋田県も実施したことが大きな力になった。請願採択を受け、制度創設に向け全力を挙げたい」と話しています。
 岩手県内の住宅リフォーム助成制度は、35自治体のうち21自治体で実施されています。

3団体連名で提出
 視察や懇談重ねる=宮城県連

 宮城県議会建設企業委員会は7日、宮城県連、建設職組合連合会、宮城県建築士会の三者が提出した「住宅リフォーム助成制度の創設に関する請願」を採択しました。宮城県連は9月28日、伊藤貞夫会長、菅原均常任理事、仙台民商の木村恵保会長などが県議会各派へ要請しました。自民党・県民会議の佐々木喜蔵会長は「これは大変良い制度。実施した石巻市でも市民や業者にも喜ばれている。ぜひ実現させたい」と歓迎しました。
 民主・改革みやぎの坂下賢幹事長も「緊急経済対策としても有効だと思う」、社民党県議団の熊谷義彦会長も「これは賛成だ。県産材の利用も考えた制度にすれば、林業関連業界からも歓迎」などと話していました。
 1日遅れで建設職組合連合会、宮城県建築士会も同様の要請をし、自民党・県民会議の佐々木会長からは、「三者連名で出してくれ」との連絡が入り、早速、建設職組合連合会と懇談して三者連名で「請願書」を提出。各会派すべての代表者が紹介議員となりました。
 この間、県連・各民商代表と共産党議員団は、宮古市や秋田県建築住宅課・秋田建築労働組合を訪問。視察と懇談を行い、請願採択の力にしました。

市や町でも続々成果

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08年10月の市長交渉

経済効果訴え盛岡市議会で=岩手・盛岡
 岩手県盛岡市議会は9月29日、「住宅リフォーム助成制度」の実施を求める二つの請願を全会一致で採択、同制度実現へ大きく前進しました。盛岡民商の粘り強い運動が実を結んだものです。
 請願は、盛岡民商が単独で提出したほか、盛岡市建設業協同組合、盛岡建設労働組合が連名で提出していたもの。
 請願は、県内で実施している自治体では、「自治体財政支出の数倍〜十数倍に及ぶ経済効果を上げ」「民間需要の喚起、創出を生み出し、市民と建設業者がともに潤い、地域経済の活性化を促す効果を上げている」と指摘。地域経済活性化対策の一助として同制度の創設を求めていました。
 盛岡民商は同制度の創設を求め、これまでに3回、議会請願を行ってきました。

花巻市議会が全員一致して=岩手・花巻
 岩手県花巻市議会は9月27日、「住宅リフォーム助成制度の創設を求める」請願を全員一致で採択しました。花巻民商が提出していたもので、制度実現に向け大きな一歩を踏み出しました。
 請願では、不況が長期化する中で、中小業者は仕事の減少と単価の切り下げにより大変苦しい経営に直面していると指摘。その中で宮古市が実施した住宅リフォーム助成制度は「全国各地から注目され」、市民にも喜ばれ、町全体に活気がみなぎっており、「宮古市のように思い切った施策を講じることが求められている」と制度創設を要請していたものです。
 この日の本会議で産業建設常任委員会の近村晴男委員長は、「宮古市で行われている制度の実施が望ましい。実施する際には助成は現金ではなく、市内の商店街で使える商品券で」と報告。地域経済が疲弊しているもとで、花巻市がインパクトのある経済対策を行う必要があるとし、全員一致で請願を採択したものです。花巻民商は、8月末に単独で請願を提出していました。

支部で請願3町で採択=福島・東石民商
 福島県浅川町の須藤一夫町長は9月議会で住宅リフォーム助成事業について「11年度から実施したい」と明言しました。また矢祭町、石川町では住宅リフォーム助成制度の創設をを求める請願、陳情が町議会でそれぞれ全員一致で採択されました。いずれも東石民商やその支部が実現を求めていたものです。
 浅川町では日本共産党の上野信直町議の質問に対し、須藤町長が「トイレの改修や部屋の段差解消を考えている町民に工事費の一部を助成したい」と答弁。また財政規模については数百万円とし「来年度から実施したい」と答えました。
 矢祭、石川の両町では昨年の秋以降、住宅リフォーム制度の創設を求めて署名運動を展開。9月議会に向けても「岩手県宮古市ではリフォームブームが起きている」などとして、議会に助成制度の早期実現を要望していました。相次ぐ請願・陳情採択や町長の実施表明に業者から「署名運動を粘り強くやってきてよかった」との声が上がっています。
 東石民商は「使いやすい制度」を求め、さらに運動を広げていくことにしています。

   
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