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地域 小規模基本法と地域経済振興
 

米山県知事に願い届け懇談 小企業振興策を要望=新潟県連

県政変える大きな一歩

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7項目の要望書を手渡す渡部睦夫県連会長(中央左)と米山知事

 「零細企業の大変さはよく分かる」「住宅リフォームへの支援は県として研究したい」─。新潟県商工団体連合会(県連)は8月2日、米山隆一新潟県知事と和やかに懇談しました。保守県政が続いた新潟県で、民商・県連が知事と直接会って、要望を届けるのは初めてのこと。2300人分を超える実態調査をまとめて懇談に参加した民商役員は「県政を変えていく大きな一歩」と要求実現への確かな手応えを感じています。

住宅リフォーム制度研究したい

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地域における小規模事業者の役割も話題になった米山知事(右から2人目)との懇談

 県連は小規模事業者の実態を基に「7項目の要望」(別項)を作成。アンケート結果とともに、米山知事に手渡し、その実現を求めました。懇談には渡部睦夫県連会長ら9人が参加。日本共産党の渋谷明治県議も同席し、地元の新潟日報など2社が取材しました。
 米山知事は、魚沼市で実家が精肉店を経営していることに触れながら「うちも零細企業だから、中小零細企業の大変さはよく分かる」と発言。また「うちの店が豚のモツを食べるという文化をつくったんですよ」と、地域で文化を担う小企業の役割にも言及しました。
 住宅リフォーム助成や商店・工場リフォーム制度に対する県の支援については、「国の交付金の活用を含め研究したい」と小企業を支援していく姿勢を示し、参加者と和やかに意見を交換。岩澤健・上越民商副会長は、飲食業者の廃業が進んでいることに触れながら、9月に開催予定の「夜オリ」への案内も行いました。

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原発と地域経済転換訴えて勝利
 米山氏が知事に当選したのは2016年10月。安倍政権が推進する原発再稼働を許すかどうかが、対決軸でした。米山氏は「安全への責任」として福島原発事故の原因検証など「三つの検証」ができなければ再稼働の議論は始められない、と主張。市民と野党に加え、民商・県連も米山氏の推薦を決定、自民推薦候補を破っての勝利でした。
 初めて実現した保守県政からの転換。その背景には原発問題とともに、地域経済の深刻な落ち込みがありました。
 県の調査によると、この10年間(04年と14年の比較)の全産業の総生産額はマイナス6.8%。産業別では、農業(同19.4%)、建設業(同18.7%)、製造業(同10.8%)となっています。
 加えて新潟県は平成の大合併で、合併前の112市町村が合併後は30市町村にまで減少。このため人口減少に歯止めがかからず、地域経済の衰退が一層進んでいました。
 「だからこそ、米山知事に小規模企業の実態を伝え、経済の振興を図ってほしいと考えたんです」と、県連の青木敦志事務局長はいいます。

売上・利益減少6割超える実態

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米山知事と新潟県連の懇談を報じる三條新聞1面

 民商・県連は今年1〜3月にかけて「営業とくらしの実態アンケート」調査を会員中心に実施。5800事業者のうち、過去最高の2348事業者から回答(回収率40%)を得て、「現在の経済状況の下での家族経営・小企業の現状」が鮮明に浮かび上がってきました。
 その特徴は、(1)売上・利益が前年より減少している事業者が6割を超える(2)赤字を含め所得300万円未満事業者が6割を超える(3)後継者が「いる」と回答したのはわずか2割(4)消費税の転嫁をできている・いない事業者は半々である-というもの(下の図)。さらに「国政・県政への願い」で多く寄せられたのは、医療・福祉・教育の充実を求める声でした。こうした実情も、懇談で率直に米山知事に伝えました。

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 懇談後、参加者からは「知事は小規模事業者のことを分かっている。さまざまな課題の糸口を見つけてくれるのではないか」「懇談時間が15分というのは短い。今度はもっと長くできるようにしたい」「議会の力関係も変えていくことが、具体的要望の実現につながる」「県政を変えていく足掛かりにしていきたい」などの積極的な感想が出されました。
 渡部会長は「新潟県内で小企業の位置や果たしている役割を伝えることができたのではないか。誠実な姿勢も伝わってきた。今後も知事を支え、中小業者の願いを実現するために力を尽くしたい」と話していました。

新潟県内の中小・小規模企業の現状
<企業数>
 県の調査・資料によると、新潟県内の企業数は約8万4000社。99.8%が中小企業で、このうちの88.1%を小規模企業が占めている。企業数は減少傾向にあり、09年に比べ12年は中小企業数は約7000社、小規模企業は約6000社減少している。
<常用雇用者の推移>
 新潟県の常用雇用者数は約56万9000人で、83.2%が中小企業、23.1%が小規模企業の常用雇用者となっている。
<経営者の高齢化と事業承継>
 新潟県内の社長の平均年齢は60歳10カ月。全国で5番目に高い。事業承継を「最優先の課題」「経営問題の一つ」と意識している企業は県全体で91.2%に及んでいる。

全国商工新聞(2017年8月21日付)

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