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地域 小規模基本法と地域経済振興
 

小規模工事登録業者 受注額年間1億円突破=広島北

 広島市内の民主商工会(民商)の要望で実現した同市の「小規模修繕工事契約希望者登録制度」(小規模制度)を活用して地元建築業者が仕事を確保しています。広島北民商が中心となって結成した安佐南北小規模修繕登録者連絡会(連絡会)は、会内外の登録業者が情報を交換しながら仕事を積極的に受注。行政からも「登録業者が手掛けた仕事は苦情もない」と信頼が寄せられています。

業者連絡会が力発揮

 広島市は05年に小規模制度を創設。市が発注する小規模工事のうち、施設の修繕など50万円未満の工事を登録業者が受注できるものです。昨年までに市内全体で延べ2000人が登録し、5億8500万円を受注。制度創設時、登録業者の受注額は2800万円でしたが、13年度は1億3000万円に増え、初めて1億円を突破し6年連続で過去最高を更新しました。

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安佐北区役所のトイレ修繕工事を受注した伊勢さん

 経験語って
 連絡会が11月27日に開いた登録業者の交流会には15人が参加。受注状況の資料を見ながら仕事を確保するための努力や経験などを活発に交流しました。
 大久保義明会長=防水工事=は「これからも情報を共有しながら制度を充実させ、仕事おこしに役立てたい」と開会あいさつをしました。
 制度創設時から登録し、たびたび仕事を受注している伊勢秀之さん=設備工事。11月も安佐北区役所のトイレ修繕工事を受注しました。「下請けでは入れなかった仕事を受注できるようになった。顔や名前を覚えてもらうよう時間を見つけて区役所に行き、営業したことが力になった」と笑顔。連絡会の活動について「登録業者の状況や工夫していることなどが聞けるし、自分の経験も話せる。役所から頼まれた他業種の仕事を紹介することもあり、交流が登録業者の仕事おこしにもつながっている」と報告しました。
 久村守さん=電気工事=も「金額は小さくても公共工事として取れるのがいい」と話します。「無理して単価を安くする必要もなく適正価格で仕事ができる。次の受注につなげるためにも、連絡があれば機会を逃さず早く現場を見に行き、携帯電話番号を再度伝えるようにしている。集まって経験を交流できる連絡会の活動はとても良い」と確信を深めていました。

行政と懇談繰り返し

 連絡会は05年7月、広島北民商を窓口に発足しました。

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連絡会が開いた登録業者の交流会

 制度を改善
 この間、登録した全業者に案内を送って交流会を開きながら、会内外の業者に登録を呼びかけてきました。同時に広島北民商の地元の安佐南区、安佐北区の両区役所や広島市契約部、市教育委員会との懇談を重さねて制度を充実させてきました。
 市契約部との交渉では登録期間を3年に延長する、追加登録は年4回受け付ける、発注用名簿への携帯電話番号を掲載する、5万円以下の相見積もりは省略する―など制度を改善させ、部局・区ごとに発注状況を集計・公表させてきました。
 また、小規模工事の3分の2を占める学校・幼稚園関係を管轄する広島市教育委員会とも懇談。09年の初懇談で、積極的な制度活用を要望したところ、13年度には342件3000万円の発注まで大きく前進しました。13年度の交渉では施設課長が「現場の事務職員にも研修を行う」と約束し、「(発注件数を)大幅に増やします」との回答を得ました。
 安佐南・安佐北区は毎年の懇談を通じて発注実績を大きく伸ばしました。全登録業者に占める広島北民商会員・読者は現在3割に上り、制度を積極的に活用。両区の登録業者への発注率も85%となり、その他6区の平均37%に比べても高い比率です(2013年度)。

図=広島市小規模修繕工事発注状況

施工通じて信頼築く

 両区との懇談では「登録業者はフットワークも仕事の中身も良く、工事の苦情もない。登録業者の100%の発注をめざしたい」(安佐南区)、「業者と行政の間に信頼関係ができている。登録業者は仕事も丁寧なので実績をさらに上げていきたい」(安佐北区)と担当課長らから声が出るなど、行政からも高く評価されています。

 災害支援も
 8月の大雨土砂災害では両区が被災者窓口となり、今後、災害復旧工事の分割発注や災害住宅のリフォーム助成制度についても懇談をする予定です。
 連絡会の代表世話人でもある広島北民商副会長の高竹和宏さん=大工工事=は「広島市での制度活用が大きく伸びたのは、登録業者の努力と連絡会の地道な活動があったから。これからも行政との懇談を重ね、行政と業者の両方にとって喜ばれる制度にしたい」と決意。その上で「住宅リフォーム助成制度などとも比べながら、その自治体にどんな制度が向いているか、行政と一緒に考えていくことが大切だと思う」と話しています。

Photo 情報共有を受注につなげたいと話す大久保会長

Photo 連絡会の活動が力になったと話す久村さん

Photo 行政との懇談を重ね制度充実をと話す高竹さん

全国商工新聞(2014年12月22日付)

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