全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
 

トップページ > 地域のページ > まちづくり > 全国商工新聞 第2812号 1月7日付

地域 まちづくり
 

暮らし・地域に密着した技術で環境を守る商売に挑戦

 環境問題が経営のキーワードになっています。暮らしに密着する中小業者の場合、開発した商品や技術もできるだけ安価に提供、きめ細かい要望にも応えて喜ばれています。

PHOTO
「ビオブリン」を使用してきれいになった排水の溜め弁
バイオ活用し環境改善
グリーストラップ浄化装置作製
京都・与謝民商 下森清史さん

 バイオを活用し、快適な環境づくりのお手伝いをしています。健康維持の秘訣は身近な環境改善が初めの一歩。自然界の有用菌、善玉菌のバイオを利用することで身近な環境を改善でき、健康改善や健康維持に大いに役立てられています。
  厨房機器のグリーストラップ(廃食油をせき止める浄化槽)浄化装置の「ビオブリン」を完成させたのは05年。見かけは不細工ですが市販の3分の1と安価で、排水される浮遊油や悪臭が極端に減り、購入した焼き肉店は「掃除が楽になり、ゴミを捨てる程度ですむ」と大変喜んでいます。
  この装置を思いついたのは、以前勤めた会社で厨房の排水が問題になっていたこと。業者は排水を升に溜め、水と油を分離させ、水だけ排水していました。しかしほとんどの油が河川や下水などに流れ出ていたのです。
  本来、浮遊した油は産業廃棄物として処理しなければならないものの、においが強烈で放置しているのが現状でした。
  研究し、排水の油やにおいを分解するのに自然界に存在する好気性微生物の有用バイオ納豆菌の仲間・バチルスに注目したものの、このバイオを使った処理法は高額で、手が出ません。そこで私が社をやめて独立。バイオや装置を独学して装置とバイオを生かす装置を作製したのです。このバイオを知ることで、部屋の消臭剤、消臭と洗浄を兼ねた消臭洗剤などの新商品も作り、インターネットで販売中です。
  また、河川、池などの水質汚染の浄化、工場などの空気汚染の浄化および環境改善の対策の提案、施工、管理も実施しており、これからの産業だと思っています。
        (手記)
▽(有)ジョイシス エコロビジョン 京都府与謝郡与謝野町男山883 Tel0772・46・4479
http://www.joysys-jp.com/

PHOTO
ナラの木を集成して作ります。川田さんの研究の成果です
木と伝統文化を大切に
ナラの集成材で和太鼓を製造
福島・会津若松民商 川田久義さん

江戸時代から太鼓胴の産地である南会津で創業したのは1979年です。太鼓を作る木は樹齢200年のもの。
ところが山がもうけの対象にされ、外材の大量輸入により山が荒廃し、太鼓胴になるような大木はほとんどないのが実情です。環境を大事にすることでこそできる仕事は何だろうと考えました。
試行錯誤の上、作ったのがナラを集成材にして作った太鼓でした。もともと機械式振動計の道具を作っていたので、ものづくりは大好き。側板になる木を高熱蒸気で蒸し上げて弓なりに加圧成形し、集成して胴を作り、皮を張って完成させました。
強度は十分あり、音色も遜色ありません。くり抜き胴に比べて安価で音色が均一にでき、和太鼓ファンを広げるには格好のやり方でした。
しかし節のあるカラマツや杉で挑戦するものの、節のあるものはなかなか受け入れられません。木材探しが大変で、山を守る大切さを痛感します。
太鼓の需要は多く、学校や保育園のほか、マニアや観光地などさまざま。太鼓文化を伝えるにはいろんな人が触れることが大切で、先日は保育園用に作った小さな太鼓「こじめちゃん」が優良玩具に選ばれました。
子どもが太鼓に親しむことで伝統文化の普及に貢献したいと作ったもので、職人冥利に尽きます。
廃校になった小学校に太鼓を100台置いて11年前、練習場も建設しました。全国から年間1000人もやってきて宿泊しながら練習しています。
12年前には東京、2年前からは千葉県成田市にもアンテナショップを開きました。
太鼓は祭りや運動会につきもの。太鼓の音がないと始まりません。地道な努力が販路を切り開くと思っています。
▽(株)川田太鼓工房 福島県南会津郡会津町永田堂前2254 
フリーダイヤル 0120・4138・66
http://www.kawadataiko.com/


PHOTO
地産の木材を生かした家
空気を循環させる家
産直の西川材などを使用
東京・3民商の会員が結成 新大田建設センター事業協同組合

 住む人や環境にやさしい住まいづくりをめざしているのは東京の大田、蒲田、雪谷の3民主商工会(民商)の会員でつくる新大田建設センター事業協同組合(27人)です。
  新築から瓦の修理、シトアリ対策まで住まいに関することは何でも手がけ、年間約300件の依頼に応えています。
  「温暖化に手を貸さない住まいのあり方」を追求。産直の材木として埼玉県飯能市の西川材などを使用し、新築の場合は依頼主を連れて材木を採る山に連れていきます。
  押し入れや床などもベニヤではなく椋材を使用。柱は杉やヒノキ、壁は珪藻土など。畳は備長炭入りも使います。空調は屋根裏に環境ソーラーを設置、太陽熱を取り込み、空気を家の中に循環させる方法をすすめています。
  山田重信理事長=工務店=は「いろんな情報をお客さんに提供して勉強してもらい、十分話し合い納得してもらって仕事をすすめる。家は建てっ放しでは駄目で、点検にも回り助言している。誠心誠意に仕事をすることでお客さんがリピーターになり、受注につながる」と話します。
  曽我勝光副理事長=工務店=は「建築関係は縦のつながりだけだが、組合は横のつながりがあり、情報も早い。最近はリフォームが増えているが、おかげでお客さんの要望にもアドバイスできる。仲間が増えると仕事の幅も広がってうれしい」と言います。
  同組合は大田区の建築あっせん事業連絡協議会(12組合)にも参加し、区役所で定期的な区民の住宅相談にも乗り、「住まいのアドバイザーとして仕事をしていきたい」と意欲をみせています。
  課題は後継者づくり。区民に組合の仕事を知ってもらおうと、区民対象の「住まいづくりフェア」などを共催で実施。地域に必要とされる建設組合にと頑張っています。
  ▽東京都大田区中央2の9の15 Tel03・3773・4454
 
全商連トップ ページの先頭