全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第3114号4月7日付
相談は民商へ
 
 
 

福島生業返せ訴訟 「原状回復は困難」 開き直る東電

Photo
福島地裁に向けて行進する300人の原告団、弁護団

 東京電力福島第1原発事故の被害者2600人が原告となり、国と東電を相手に原状回復と慰謝料などを求めている「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)の第5回口頭弁論が3月25日、福島地裁(潮見直之裁判長)でありました。東電は「原状回復は技術的にも金銭的にも実現が困難」などと、加害者である立場を投げ捨てた無責任な主張を展開。全国で相次ぐ訴訟でも初めてのことで、傍聴者からは「驚くべき開き直り。いったい誰が責任をとるのか」と怒りの声が上がりました。

第5回口頭弁論 原告ら厳しく批判
 この日の弁論で東電は、原告の主張する「放射線による健康への影響」や「原状回復請求」について準備書面を提出し“反論”。
 東電は年間20ミリシーベルト以下の放射線被ばくは喫煙、肥満、野菜不足などに比べても、がんになるなどの健康リスクは低い、とする“科学的知見”を披歴し、「それを下回る放射線を受けたとしても、違法に法的権利が侵害されたと評価することは困難」と主張しました。
 除染による原状回復請求については「放射線量が事故に由来するのか、識別は困難」としたうえで「原状回復にかかる想定金額はあまりにも莫大で、一企業の負担としては過度に重すぎる」とし、請求そのものを「不適法」とし却下を求めました。
 原告側は無責任な東電の主張に直ちに反論。裁判長の指揮で意見陳述を認められた原告団長は「莫大な費用がかかるから除染できない」とした東電の“言い分”に「お金で買えないものをわれわれはいったいどれほど失ったか。東電は加害者として甚大な被害を引き起こしたことへの反省も、事故の収束や被害者救済の責任を負っていることの自覚もない」と厳しく批判、陳述の撤回を求めました。
 原告弁護団は、東電の“科学的知見”に対し「20ミリシーベルト以下であれば、住民は我慢せよ、と主張するに等しいもの」と反論。「お金がかかりすぎる」との主張についても「臆面もなく『できない』と開き直ることができるのか」とし、「東電の主張は被害者を愚ろうし、天に唾するようなものであり、まさに恥知らずだ」と、語気を強めました。
 また、原告側は国に対し、事故に至る経過や10メートルを超える津波の可能性などについて、その説明や認否を求めたものの、国は「現段階では必要ない」と拒否。しかし、裁判所は(1)全電源を喪失した事故の経過(2)津波の予見可能性などについて、次回弁論までに書面で提出するよう求めました。
 次回弁論は5月20日。生業原告団は7月10日に第4次の追加提訴を行う予定です。

全国商工新聞(2014年4月7日付)
 
   

相談は民商へ
ページの先頭