全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第3104号1月27日付
相談は民商へ
 
 
 

「東電の過失」審理対象に=福島原発訴訟

 東京電力福島第1原発事故で、民商会員ら被害者2000人が国と東電を相手に原状回復と慰謝料の支払いを求めている訴訟(「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟、中島孝原告団長)の第4回口頭弁論が14日、福島地裁(潮見直之裁判長)で開かれました。潮見裁判長は原告が求めてきた東電の過失責任について「重要な争点」と明言し、審理対象とする考えを明らかにしました。原発事故に伴う被害救済を求める訴訟が13の裁判所で提訴されていますが、東電の過失責任が審理対象となるのは全国で初めてです。

 算定に不可欠

Photo
裁判所へ向けて行進する「生業を返せ、地域を返せ!」訴訟の原告団と弁護団(14日)

 東電の過失責任の有無が問題になるのは、原告が過失を要件とする民法(709条)に基づく損害賠償請求を求めているのに対し、東電は過失を要件としていない原子力損害賠償法(原賠法3条1項)が適用されるべきで、過失責任は審理の対象とならないと主張しているためです。
 この日の弁論で原告側は、原賠法は民法の適用を排除するものではなく、過失の有無を審理対象から外す理由にならないと主張。同時に原賠法に基づく請求であっても、損害額の算定に際しては、「交通事故と同じように加害者の故意、過失の種類とその程度が斟酌されるべき」であり、過失をめぐる審理は不可欠と迫りました。
 しかし東電はこれまでの主張を繰り返すだけで、原告側は「何ら説得的な反論ではない」と厳しく批判、裁判所に過失責任の審理を強く求めました。
 潮見裁判長は「賠償額算定のため東電の過失の程度の審理が必要」と表明。そのうえで「(東電の過失が)重要な争点となっていることは否定できない」との見解を示し、原告が主張する「事故の予見可能性」を踏まえ、東電に反論の準備を求めました。

 責任果たすべき
 また前回弁論で裁判所が求めた津波の影響評価などの試算データの提出を東電が拒否した問題について、原告側は「重要な文書を国民に隠し続けるのか」「加害者として社会的責任を果たすべきだ」と厳しく批判。データの提出を再度強く求めました。
 裁判では原告3人が意見陳述。福島第2原発の設置許可取り消しを求めた裁判(75年)の原告は「危険性を指摘した私たちの声に耳を傾けていれば今回の事故は防げたはず」と訴えました。果樹栽培農家は「母なる大地が汚された怒りはどこにぶつければいいのか。東電と国は過ちを認め責任を明確にすべきだ」と話し、建設業者は「自分の家に帰るにも身分証をみせなければならない。この屈辱が分かるか」と怒りを込めました。
 次回弁論は3月25日。また、2月10日に追加提訴を予定しています。

全国商工新聞(2014年1月27日付)
 
   

相談は民商へ
ページの先頭