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  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第3015号 3月19日付
 
 

がれき撤去 日当の課税 年65万円控除可能
=国税庁が連絡文書

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「日当は給与所得扱いに」と国税庁に要望する新沼・大船渡民商会長(左端)。右端は大門参議院議員

 被災地において漁場のがれき撤去作業で受け取った日当について国税庁は1日、給与所得控除並みの最低65万円の必要経費を控除できるとした連絡文書を出しました。被災地の税務署などが「事業所得(雑収入)」と見なす対応を行っていたことに対し、全国商工団体連合会(全商連)と岩手県商工団体連合会(県連)は「日当は賃労働である」として、給与所得として取り扱うよう求めていたもので、漁業者などから「大きな朗報。これで税負担が軽くなる」との声が上がっています。

租特法27条で
 連絡文書は、「漁場生産力回復支援事業において漁業者等が受給する助成金に係る各種所得の計算における留意点について」と題したもので、仙台、関東信越、東京の各国税局に通知しています。
 同文書ではがれきの撤去作業の緊急性や漁業者の実情から「運用として漁協が日々の作業内容や作業区域を指示している場合など主体的に事業を実施している」時には、事業所得、雑所得の金額の計算においては「租税特別措置法(租特法)第27条の適用があることに留意願います」と、同条の適用が可能であるとしています。また、「資源回復・漁場生産力強化事業」でも同様の取り扱いを求め、地方自治体、漁協にもその周知徹底を求めています。
 租特法27条は、家内労働者などの事業所得の所得計算の特例を定めたもので、所得額を計算する際、日当収入から必要経費として65万円まで控除できる、としています。

労働実態訴え
 被災沿岸部では県やNPO団体が事業主体となってがれき撤去など、漁場復旧支援事業を実施しています。同作業に携わる漁業者は、津波で家も船も生産手段も失い、その大半が日銭を稼いで暮らしています。
 支援事業の労賃は1日1万2000円余ですが、その所得の取り扱いについて「雑所得またはその他事業収入として申告」するよう求めた漁協もあり、漁業者から「労賃だからまったく経費はかからない。事業所得で申告すれば、丸々税金がかかる。何とかしてほしい」との不満が出されていました。
 こうした声を受け全商連と岩手県連は2月24日、日本共産党の大門実紀史参院議員の同席の下で国税庁と交渉。家も船も失った新沼治・大船渡民商会長が「時間も場所も漁協の指示の下で毎日働いている」と、賃労働の実態を訴え、事業所得ではなく、給与所得として取り扱うよう求めました。国税庁は「実態は分かりました。調査したい」と検討を約束していました。

全国商工新聞(2012年3月19日付)
   
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