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  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第2986号 8月8日付
 
 

仲間から送られた漁具 うれしくて家族で涙=宮城・気仙沼本吉

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希望の包丁を手にして喜ぶ久保田さん

 宮城・気仙沼本吉民主商工会(民商)の久保田俊行さん=漁業=は、民商の仲間から送られてきた包丁を使って事業再建に向かって足を踏み出しています。「30丁もの包丁を送ってもらい、感謝の気持ちでいっぱい。うれしくて家族で涙を流した。1日も早く復旧して、私たちが取るワカメやカキを食べてもらいたい」と笑顔を見せます。

 送られた包丁は、津波でからまった漁網ロープから浮き玉を取り外すのに必要な特殊なものでした。自宅も船も道具もすべて流された久保田さんは、せめて包丁が手に入らないかと願っていました。それだけに喜びもひとしおです。早速種ガキの仕込みとワカメの養殖施設の整備を始めています。
 包丁を送ったのは兵庫・灘民商会長の細谷薫さん=マンション経営。何もかも失った漁師さんが包丁を必要としていることを新聞報道で知り、妻・富士子さんと相談し、支援することにしました。富士子さんが宮城県連に連絡したところ、久保田さんにたどり着きました。
 富士子さんは早速、金物の町で知られる兵庫・三木民商に連絡を入れ、「タナカ金物販売」を紹介してもらい、手配しました。久保田さんが直接話をすると希望する包丁が見つかり、5月中旬、30丁の包丁が届きました。
 後日、細谷さん宛に久保田さんからのお礼の手紙と一緒に海産物が送られてきました。
 「東北の仲間が復興に励んでいる姿を見て、こんな形で“お返し”ができたことがうれしい」と細谷さんは話しています。
 細谷さんは阪神・淡路大震災のとき、自宅もマンションも全壊し、行く末に思い悩む日々を過ごしました。そんなとき、支えになったのは全国の仲間の励ましでした。「16年間、二重ローンに苦しみ、今後も十数年にわたって返済し続けなければならない。東北の仲間には自分と同じ道をたどってほしくない」。そんな思いが包丁に込められています。

全国商工新聞(2011年8月8日付)
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