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  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第2971号 4月18日付
 
 

営業再建、東北救援にも全力=茨城、千葉

共に震災乗り越えよう
 東日本大震災は、茨城県や千葉県にも大きな被害をもたらしました。茨城県商工団体連合会(県連)や千葉・佐原民主商工会(民商)は、被災者を激励訪問するとともに、東北の仲間の救援にも力を入れています。「全国の仲間の思いは一つ」と立ち上がっています。

営業再建が地域励ます 業者の復興へ運動=茨城

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家屋が倒壊した北茨城市内
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津波が押し寄せた北茨城市の大津港

 茨城県内の「3・13重税反対統一行動」が終わり、ほっと一息と思った瞬間、地面が激しく揺れました。その直後に押し寄せてきた津波。一瞬にしてライフラインは断ち切られました。
会員にも被害
 停電で携帯電話も使えず、ガソリン不足や道路が渋滞する中で、事務所を開けて「会員の被災状況と安否確認を」と役員・事務局が動き出しました。
 日立民商では鈴木正特さん=漁業=の母・アイ子さんが津波で流され骨折しましたが、幸いにも救助され入院していました。飯島豊さん=漁業=は小さい船2隻と車、漁具を流され、被害額が算定できないとのこと。常任理事の市毛勝彦さん=旋盤加工=の工場は津波で機械が水浸しになりました。
 鹿行民商では県南東部、潮来市、神栖市が津波と液状化の被害が多く、水戸民商では婦人部役員の小松崎ハルミさん=精密部品加工=が津波に襲われた大洗の会員といち早く連絡を取り、全員の無事を確認しました。
被災者に喜ばれ
 震災の爪痕は残っているものの、営業再開も始まりました。
 日立民商では川中子温泉を経営している根本勉さんが重油不足の中、まきを使ってお湯を沸かし営業を再開。ラジオとテレビで、営業情報が放送されてからはお客さんが殺到しています。
 コンビニ経営の川崎八重子さんは、店の野菜、冷凍食品を使って煮物などを作り近所の人たちに振る舞い、喜ばれました。
 シャンプー500円で順番待ちになった美容室「ヘアースペースSAI」、断水の中で150食のお弁当を作り喜ばれた東海村の仕出し屋「魚住」など、業者の技術とサービスが地域を支えました。また、県内で最も被害がひどかった常陸太田市旧金砂郷では桑原工務店の桑原八郎さんが自宅周辺のほとんどの瓦屋根を無料で応急処置しました。
 土浦民商では「ラ・ムール」の石塚雅人さん一家が、原材料が厳しい中でもパンを作り続けるなど奮闘。こうした会員の姿が地域を支えています。
 県連では「中小企業復興支援の制度融資や生活福祉資金を無利子に」「納税や借入金返済の猶予を」「風評被害への対策を」など関係機関に要望しました。
 三役会では県内の被災者を支援しながら東北の仲間を力づけようと必要な物資の支援を訴え、続々と支援物資が県連に届いています。

返済猶予や税額免除を 被災会員を訪問・激励=千葉

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佐原民商が届けた牛乳に喜ぶ気仙沼市の子どもたち(左端が橋沢会長)
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被災した会員を訪問する佐原民商の役員

 香取市では建物の崩壊とともに液状化によって土砂が噴き出し、地盤が50センチ以上沈下。自宅や工場、店舗が傾き、市内の中心部の小野川の砂が隆起し、江戸時代からの建物にも被害が出ています。全壊は337軒、半壊は690軒に上り、避難した住民は80〜100人に(香取市体育館)。
 また、新島地域の米作や畜産農家でも液状化で土砂が噴出。香北地域全体では3000ヘクタールの水田が、農業用水が通水しないために稲作ができず、200億円(コメの生産量の30%以上)の被害が見込まれています。
 佐原民商は3月19日から4月5日にかけて橋沢政實会長を先頭に、藤木千恵子事務局長、坂本洋子市議(共産)らが最も被害が大きかった水郷町地域の会員を訪問。状況を聞きながら激励しました。「建築資材の流通がストップし、材料が入らず仕事ができない」「ガソリンがないので買い物にも行けない」「計画停電で店も開けられず売り上げが落ちた」「道具が使えず工事がストップした」など不安を訴える声が続出しました。
 同時に「被災者には国保、市民税などを免除にしてほしい」「営業ができるようになるまで、住宅ローンなどの返済を猶予してほしい」「これまでの借り入れとは別枠で無担保、無保証人、無利子の制度融資を」「市として災害復旧資金融資を創設してほしい」など切実な要求が出されました。
風評被害を懸念
 放射能漏れの影響で香取市東南部と隣の多古町の農作物の出荷見合わせの命令が出され、今後、風評被害の拡大が懸念されています。
 併せて、東北の仲間への救援活動も開始。被災会員も「全国の心は一つ。東北の惨状に比べれば何でもない」と声を上げ、大勢の会員が義援金とともに物資を届けてくれました。
宮城へ物資届け
 集まった物資はトラック2台分にもなり、橋沢会長をはじめ村瀬秀巳さん、西岡幸雄さん、橋沢大輔さんの4人が3月29日から30日にかけてバンと2トントラックで宮城・気仙沼本吉民商に向かいました。
 菅原均会長や婦人部の菅原三枝子さんをはじめ大勢の仲間が笑顔で出迎えてくれました。1200人が避難している気仙沼小学校では牛乳を受け取った子どもたちの笑顔が弾けていました。支援活動を通じて役員は「全国からの大きな支援がなければ復興できない。持続的な支援活動をしたい」と話していました。

全国商工新聞(2011年4月18日付)
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